Escentric Molecules

ABOUT - Escentric Molecules

フレグランス業界で長い実績を持つベルリン出身の調香師ゲザ・ショーエンは、今回は、フレグランスの作り方やマーケティング方法に、敢えて挑発的な姿勢を 望んだ。彼は、全てのプロセスの神秘を解くことに熱中していた。彼の提案は、2つの香りの同時発売することであった。1つは、異なった香料が香り立つ合成 香料、つまり多くの人々がフレグランスの概念として理解しているものである。もう1つは、一種類の香り、モレキュールの香りに敬意を示したものである。こ れは、合成された香りによって個性を決定するものである。

このコンセプトは、実際にはシンプルなものであった。2つのフレグランスのべーベースとなっているモレキュールの香りは、Iso E Super <イソイースーパー>である。エセントリック01は、ピンクペッパー、ライムピール、オリス香などを他の香料とともに、このイソイースーパーを前例のない 濃度65%も配合している。一方、モレキュール01はイソイースーパーのみで作られている。モレキュール01は、言ってみるならば、エセントリック01の 本格派バージョンである。ショーエンは比較のために、グラフィックデザインにアナロジーを用いた。

このコンセプトを実現するために、ショーエンは、同じスピリットを持ったロンドンの2人に目を向けた。1人はディスカンパニーのジェフ・ラウンズである。 この時期の少し前に行われた、ジンのブランド「ボンベイ・サファイア」での香水ブランドの夢のような立ち上げなど、ショーエンとジェフはすでに何度かフレ グランスプロジェクトで仕事をともにしていた。
そして、数々の賞を受賞しているミーカンパニーである。ミーカンパニーは、ビョークのCDジャケットからランコムの広告まで、全てにおいて先駆的なグラ フィク作品を制作していた。エセントリック・モレキュールズのパッケージにおいてミーカンパニーは、言葉では表現しにくい商品の姿を、アナロジーを用いた 魅力的なビジュアルで表現した。

エセントリック・モレキュールズというブランドを立ち上げる際に、ショーエンの行いたかったことの1つが、実質よりもスタイルのほうが重視されているフレ グランス業界において、香料の本質に再び焦点を向けることであった。そうして皮肉的に、エセントリック・モレキュールズは新しい神秘的な雰囲気を独自に創 り上げた。もうひとつの皮肉は、ショーエンが、フレグランスの世界での名声を嫌うにも関わらず、彼は、熱心なファンを引き寄せてしまうようなものを創りあ げているということである。いつか年月をかえて、ファンとエセントリックと結びつけた全ての声を集めれば、多くのことがわかるであろう。

成功の秘訣は、最終的にはこれである。2つのフレグランスそれぞれの関係が、漠然とした、興味をそそる、官能的な効果を生み出した。そして最も重要なこと として、誰もが、有名なデザイナーズブランドの一時代ように、フレグランスも育てることができる。ある熱心なファンが、ショーエンとラウンズに言った。 「これはあなた達のフレグランスではない。私のフレグランスです。」
By Tim Blanks

Perfumer

Geza Schoen (ゲザ・ショーエン) 1969年生。
ドイツのアートが盛んな街で育ち、13歳の時には100種類のフレグランスを区別することが出来たという。ドイツの有名な香料会社「ハーマン&ライマー」に12年間所属。
その間、ロンドン、パリ、アルゼンチン、シンガポールなどワールドワイドに活躍。